医療ファクタリングは、診察から収入が発生するまでに時間がかかるために発達した資金調達の手法です。
医療は一部が患者の負担、残りは国保や社保が負担仕組みになっていて、請求してから残額が手元に入るまでに時間がかかる仕組みになっています。
医療、介護、調剤などで請求から支払いまでに2~3ヶ月かかるのが一般的で、開業して間もない期間は資金不足になりがちなのです。
医療ファクタリングを利用すれば、レセプト報酬を将来債権として扱うことで、迅速な現金の確保が可能になっています。
医療機関や介護施設は現金収入をすぐに得ることが難しい
国民健康保険や社会保険が適用される医療、介護関連のサービスは珍しくありません。
ただし、医療費などは一部を国が負担する関係上、内容の審査を必須にするなど厳格に取り扱う必要があります。
そのため、医療機関や介護施設、調剤薬局などはレセプトと言われる、診療や調剤など保険負担が発生した場合に、所定の機関に提出する書類を作る必要があります。
書類の提出から審査、振り込みには2~3ヶ月かかるのが一般的で、開業間もない医療機関などが現金不足になることも多いのです。
レセプト報酬が支払われるまで、人件費や施設の維持費、使用した薬品の費用などは掛かり続けるためです。
そのため、医療ファクタリングと呼ばれるレセプト報酬を現金化する資金調達手段が一般的に使われていて、開業間もない医療機関や、設備更新などためにまとまった費用が必要な場合に使われることが多くなっています。
専門のファクタリング会社に依頼すると80%ほどの現金がすぐに手に入る
医療ファクタリングは、三者間ファクタリングが使われることが一般的です。
専門のファクタリング会社に依頼をすると、国保や社保にレセプトのファクタリングを行う旨の通知を入れた上で、レセプト報酬の80%ほどの現金が支払われます。
これは、レセプトの報酬が100%認められるとは限らず、審査の段階で削減される場合もあるためです。
その後、実際にレセプト報酬が支払われた場合、ファクタリング会社の所定の手数料を差し引き、残りが手元に入る仕組みになっています。
レセプト報酬の満額がすぐに現金化できるわけではないものの、現金を得るまでの期間を大幅に短縮できるのが大きな強みです。
また、手数料を差し引いた残額も後程支払われるため、資金不足になりがちなタイミングで良く使われる手法になっているのです。
ファクタリング企業によって手数料や手続きにかかわる時間が変わる
医療ファクタリングは非常に便利ですが、どうしても手数料がかかってしまいます。
そのため少しでも手数料を安い企業に依頼した方が、手元に入るお金も大きくなります。
また、深刻な資金不足が発生しそうな場合は、早めに現金化できるかも重要です。
特に従業員への給与の支払い、ローンや税金の支払いなどが迫っている場合は早めにお金を確保しなければ信用問題や法律上の問題に関わってきます。
ファクタリング会社を比較するだけでなく、期間に余裕をもった見積もりや依頼をすることも大切になっているのです。
医療ファクタリングは医療の現場では一般的な資金調達方法
医療ファクタリングの特徴は、レセプトという支払いの根拠になる請求書の信頼性が高いことです。
国がかかわる保健機関への申請になるため、よほどの不備がなければ不渡りなどは起きないことになります。
安心して利用できる資金調達方法として普及していて、特に開業期に利用されることが多いのです。
事業計画を立てる際や、経営が困難になった際には、資金調達の手段として視野に入れるのがおすすめです。